難関試験の合格者が知る「過去問」の正しい活用法 試験本番までにあなたが最低限めざすべきこと

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業務改善の定番フレームワークの「PDCA」。これは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(測定・評価)・Action(対策・改善)を回していくというものです。変化の激しい現代では、計画を立てたそばから状況が変わり、後手に回ってしまうようになりました。

代わっていわれ始めたのが、「DCPA」です。D(実行)が最初にきて、P(計画)が3番目になっています。試行回数を増やしてトライアンドエラーを重ねながら成功確率を高めていこうとするものです。

まずは「Do」(実行)から始めること。これが試験合格には必要です。とりあえず「計画」なんて、のん気なことをしている場合ではないのです。そして、「Check」(評価)で現状と向き合う。この「D」と「C」を繰り返すのです。

試験当日にピークを持っていく

試験勉強をしていると、思うように進まずに落ち込んだり、逆にスラスラと解けて安心したりすることもあるでしょう。

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ただ、大事なのは試験当日の状態です。今、理解・記憶できていなくても大丈夫です。試験当日に理解・記憶できていて、問題を解ければいいのです。逆に、今、覚えているからといって、安心してはいけません。人は忘れる生き物です。多かれ少なかれ、何もしなければ記憶は薄れます。

スポーツ選手が大事な大会当日に状態をピークに持っていくように、とにかく試験当日を意識することです。一喜一憂せず、勉強しましょう。そして、試験の各科目と各分野の理解・記憶の進捗を揃えつつ、全範囲で試験当日にピークを持っていくのです。

宇都出 雅巳 トレスペクト教育研究所代表・学習コンサルタント

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うつで まさみ / Masami Utsude

速読×記憶術を活用した勉強法の専門家。トレスペクト教育研究所代表。1967年生まれ。東京大学経済学部卒。出版社、コンサルティング会社勤務後、ニューヨーク大学に留学(MBA)。外資系銀行を経て、2002年に独立。30年以上にわたり、速読・記憶術を試験勉強に活用しながら実践研究を続け、独自の勉強法を確立した。多くの受験生を司法試験、医学部受験という難関試験で合格に導きながら、自らもCFP、行政書士、宅建士、50代で公認会計士、システム監査技術者試験などに合格。現在は監査法人に勤務。著書に『速読勉強術』(PHP文庫)、『どんな人でも1番結果が出る勉強法 合格は「あたりまえ化」の法則』(TAC出版)など。

 

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