東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

一般人はDXをどこまで知っておけばいいのか DXに貢献できる人材になるためのはじめの一歩

8分で読める
  • 嶋田 毅 グロービス経営大学院教員、グロービス出版局長
2/5 PAGES
3/5 PAGES

DXの根底には、さまざまなレイヤーを積み重ねることで、多彩できめ細かなソリューションが生まれるという発想があります。日本では1980年代頃まで、パソコンメーカーがOSに加え、一部のアプリケーションも作っていましたが、それではユーザーにとっての自由度が下がります。特にITが関連する領域については、レイヤーごとに分業体制を敷くことが、ユーザーにとっては嬉しいシーンが多いのです。

レイヤー構造の変化:自動車業界の例

そしてそのレイヤーのどこを自社が担うかによって、収益の上げやすさなどが変わってきます。

自動車に例をとると、いままでの自動車の主要な提供価値は、走行という部分にありました。それをさらにブレークダウンすると、車両(部品+アセンブル)に加え、制御用の半導体やソフト、さらにはカメラやカーナビといった、走行をより快適にするレイヤーがあります。これまでは利益が蓄積されてきたのは、車両のアセンブルというレイヤーであり、自動車メーカーがその中心となってきました。過去最高益を上げたトヨタ自動車がその代表例です。

ただ、今後は自動運転やEVの技術が進むことが予想されています。そうなると走行そのものの価値が下がり、自動車の中でのエンターテインメント(例:フロントガラスをスクリーンにして映画を見る)などがより重要度を増す可能性があります。自動車は端末の1つになり、さまざまなサービスのアプリケーションや、それを提供するOS(課金レイヤーも含む)に利益が蓄積されていくというシナリオも十分に考えうるのです。

一般に、時代が進むにつれて、モノそのものの価値は相対的に下がっていきます。「コト」、特にユーザーが対価を払ってもいいと感じる付加価値の高い「コト」のレイヤーをどう取り込むかは、製造業のみならず、あらゆる企業の課題なのです。

4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象