"アブラ"じゃない「肝臓に脂肪がたまる」根本原因 気を付けたい、気軽に買っている「2大食品」

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非アルコール性の脂肪肝で怖いのは、炎症や線維化(組織が硬くなること)を伴う「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」という病気になること。肝臓への脂肪の沈着程度にかかわらず、脂肪肝の人の約1~2割に発症するとされている。

「このNASHを放置すると、肝硬変や肝がんに進むリスクが高い」と尾形さんは言う。

だからこそ、健診で脂肪肝がひっかかった場合、すぐに対処したい。

どうすれば改善できるのか?

では、どうすれば改善できるのだろうか。

脂肪肝の改善では「食事に勝る薬なし」と尾形さんは言う。肝臓に脂肪が沈着する原因である飲食を減らすことなしに、治すことはできない。脂肪肝の改善は足し算ではなく、あくまで引き算なのだ。

そして、有り難いことに「肝臓の脂肪は最後にたまって、最初に落ちる。体の脂肪のなかでも、じつはかなり落ちやすい脂肪」と尾形さんは話す。

糖質はインスリンの働きによって中性脂肪に変換され、その後、皮下脂肪→内臓脂肪→肝臓脂肪の順に蓄積される。これが、減量などによって蓄積した脂肪が落ちるときには、肝臓脂肪→内臓脂肪→皮下脂肪の順に落ちていくという。

まずやるべきことの1つめは、「加糖飲料を飲まないようにする」。

「これだけでも、1カ月で体重の減少とともに脂肪肝も改善する人が多いです。飲み物をすべて水、お茶、ブラックコーヒーなど、糖質を含まない飲料だけにしてください」と尾形さん。

もう1つは、「空腹を友だちにする」だ。

「じつは空腹こそが肝臓の脂肪が減るためのスイッチです」と尾形さん。

エネルギーとして使われなかったブドウ糖は、いくつも合わさってグリコーゲンになり、肝臓と筋肉に蓄えられる。肝臓内のグリコーゲンは空腹にならないとエネルギーに変換されないという性質があるという。

空腹になり、グリコーゲンからブドウ糖への変換が起こると、それが刺激になって、肝臓や体の脂肪がブドウ糖に変換されるスイッチが入りエネルギーとして使われる。こうして、肝臓から脂肪が減っていく。

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