
見逃されやすい「隠れ脂肪肝」のリスクについて解説します(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)
近年、肝臓の健康に注目が集まっています。医学が進歩して、肝臓こそ健康長寿を実現するカギになる臓器だということが分かってきたのです。
たとえば、「脂肪肝」は、これまで「誰でもかかるたいしたことない病気」のように扱われてきましたが、じつは「動脈硬化や糖尿病などを招く重大な病気」であることが判明しています。脂肪肝を甘く見て放っておいたら、老化や病気が加速して、先々の人生を大きく狂わせることにもなりかねません。
ただ、肝臓は、ポイントを押さえたケアを行えば復活する臓器です。肥満やアルコールなどの問題で長年健診の肝機能の数値が悪かった人も、やるべきことをやりさえすれば短期間で回復させることができます。
では、どんなケアを行えばいいのか。肝臓専門医として46年間、患者を診続けてきた栗原毅医師は、新著『肝臓大復活』の中で、すぐに役立つ肝臓ケアのノウハウを惜しみなく紹介しています。
以下では、その栗原医師が「見逃されやすい『隠れ脂肪肝』のリスク」について解説します。
脂肪肝を防ぐことは「万病を防ぐ」こと
脂肪肝は「万病のもと」です。脂肪肝を放っていると糖尿病が確実に進行して、動脈硬化、心筋梗塞、脳血管障害、認知症、がんなどの重大疾患を招き寄せる大きなきっかけになってしまいます。
もっとも、これは逆から言えば、脂肪肝さえ防いでおけば、これらの重大疾患をはじめ多くの生活習慣病のリスクを大幅に減らせるということ。そのため、いま世界中の医療関係者が脂肪肝を減らすことに力を入れるようになってきているのです。
しかし、そこで問題になるのが、脂肪肝が当人がまったく気づかないうちに進行しやすい点。つまり、脂肪肝を見逃したまま進ませてしまい、みすみす多くの病気を招き寄せてしまう人が多いのです。
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