「30代から要注意」健康診断でも見逃されやすい”隠れ脂肪肝”→肝機能悪化を防ぐために注意しておくべきこと

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それでは、ALTの値が高くなってきた初期段階、隠れ脂肪肝や脂肪肝にどのように対処すればいいのでしょう

まず、働き盛り世代には、仕事の忙しさやストレスを理由に健康診断をすっぽかしたり、数値の悪化をほったらかしにしたりする人が少なくないので、そこだけはサボらないよう気をつけてください。肝臓の健康管理は、ALTなどの肝機能の項目に毎回注目していなければ何も始まりません。

それと、「もう決して若くはないんだ」という意識を持って食生活を変えていくことが大切になります。

とくに注意すべきは糖質の摂り方です。たとえば、「ごはんの大盛りやお代わりをやめる」とか、「昼にラーメンを食べるのは3日に1回にする」とか、「ジュースやスポーツドリンクのがぶ飲みはやめる」とか、「飲むときのつまみは糖質が少ないものを選ぶ」とか、「カップ麺や菓子パンはいいかげん卒業する」とか……。もう若くないという気持ちでこういったことを心がけていけば、それだけでも脂肪蓄積を防ぐことにつながるはずです。

また、これを機に、早食い、ドカ食い、深酒などの習慣を見直してください。食べるにしても飲むにしても「ゆっくり味わいながら適量を摂る」と意識しておくだけでも脂肪がたまるのを防ぐことにつながります。

初期に対処する大きなメリット

さらに、働き盛りの世代で太り気味の方は、ダイエットが肝臓から脂肪を追い出す有効な手段となります。糖質を減らしたり運動を増やしたりして体重を減らすと、肝臓にたまった脂肪が着実に減っていくのです。

ただ、食事量を大幅に減らすと筋肉量が減って代謝が落ちてしまいます。だから、ダイエットを行う際は、「全体の食事量はなるべく落とさない」「たんぱく質をしっかり摂る」「筋トレで筋肉量をキープする」などの注意事項を守って進めるようにしてください。

とにかく、脂肪肝はできるだけ初期段階で対処して「病気の芽」を摘んでしまうに限ります。そうやって早い段階で脂肪肝を撃退しておけば、それだけで(今後、歳をとってから見舞われるかもしれない)多くの病気を防げる可能性が高まるのです。みなさん、そのメリットの大きさを考えれば、いまのうちに肝臓の脂肪を追い出しておかない手はないと思いませんか?

栗原 毅 栗原クリニック東京・日本橋医院長

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くりはら たけし / Takeshi Kurihara

医学博士。北里大学医学部卒業。慶應義塾大学大学院特任教授、東京女子医科大学教授を歴任。2008年、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防と治療を目的とした栗原クリニック東京・日本橋を開院。「血液サラサラ」の提唱者の1人でもある。主な著書・監修書に、『決定版!内臓脂肪を落とす名医のワザ』『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』(ともに宝島社)、『栗原式 書いて下げる魔法の血圧手帳』(笠倉出版社)、『お茶のすごい健康長寿力 高血糖、高血圧、肥満、内臓脂肪から免疫力、認知症、不眠、イライラまで効く!』(主婦の友社)など多数
 

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