「30代から要注意」健康診断でも見逃されやすい”隠れ脂肪肝”→肝機能悪化を防ぐために注意しておくべきこと

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私は、脂肪肝を防いで多くの生活習慣病のリスクを減らしていくには、「隠れ脂肪肝」の段階から注意を払っていく姿勢が必要だと考えています。

脂肪肝は一気に発病するわけではありません。悪い食習慣が日々積み重なって、何年もの時間をかけて徐々に形成されていくもの。ALTの値も、最初は正常だったのが年々少しずつ上がってくるのが普通です。きっと、健康診断のたび、年々ALTの数値が悪くなっている人も多いでしょう。

ですから、ALTの数値が悪くなり始めた初期の段階で「隠れ脂肪肝」に対処してしまうのがいちばんいいのです。言わば、脂肪肝が「芽」を出し始めた段階で、「芽」を摘み取ってしまうのが、もっとも確実で効果的だというわけですね。

脂肪肝を放置すると、10年後には糖尿病に

とりわけ、30代~50代の働き盛り世代の方々は、「隠れ脂肪肝」を見逃したり放っておいたりしてはいけません。

隠れ脂肪肝や脂肪肝が目立って増えてくるのは、30歳を超えたくらいからが一般的です。30代になると、筋肉量が少しずつ減り始め、体の代謝も落ち始めて、糖質などのエネルギーがこれまでのように消費されなくなってきます。すると、過剰摂取であふれた糖が脂肪に変換されて、肝臓や内臓回りなどの体内に蓄積しがちになるのです。

簡単に言えば、30代以降も若い頃と同じような糖質過剰の食生活をしていると、徐々におなかがせりだして太ってくるようになり、肝臓の脂肪のほうも少しずつ着実に蓄積するようになるわけです。

そして、この段階で何もしないまま脂肪肝を放ってしまうと、約10年後には糖尿病発症につながっていく可能性大です。つまり、30代で脂肪肝になった人は40代で糖尿病になり、40代で脂肪肝になった人は50代で糖尿病になる可能性が高いということ。また、糖尿病になってしまうと、動脈硬化、心筋梗塞、脳血管障害などの重大な病気に陥るリスクも高まることになります。

働き盛りだというのに、こういった重大な病気になってしまったら、健康だけでなく、生活や人生もボロボロに崩れてしまいかねません。だからこそ、「隠れ脂肪肝」の初期の段階で「病気の芽」を確実に摘み取っておくことが大事なのです。それを行うだけで、働き盛りの時期にさまざまな生活習慣病に見舞われるリスクをかなり縮小させることができるでしょう。

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