検査技師が憂う「脂肪肝」を放置する人の末路 成人男性の約4割、女性の約2割は内臓が汚れている

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脂肪肝 超音波検査
写真はイメージです(写真:ペイレスイメージズ1/PIXTA)
生活習慣病の方々は往々にして、脂肪を肝臓にため込んだ「脂肪肝」という状態になっています。モノクロの超音波検査の世界で言えば、肝臓が真っ白の状態です。超音波検査専門の検査技師として30年間、述べ15万人の内臓を見てきた高渕維斗氏は、「脂肪肝は軽く見られがちですが、まったく侮れません」と言います。本稿は、高渕氏の著書『内臓がきれいになる自分の整え方 「感情習慣」が病をつくる』より一部抜粋・再構成のうえ、「脂肪肝」の不都合な真実をご紹介します。

痛くはないが明らかに異常な状態

摂取したのに余ってしまったエネルギーは、脂肪という形になって肝臓にも蓄えられます。ここまでは誰でもそうなのですが、あまりにもエネルギーが過剰になると、異常な量の脂肪が肝臓に蓄積されます。肝細胞にどんどん脂肪がたまっていき、全肝細胞の30%以上が脂肪化している状態を「脂肪肝」と言います。検査技師は診断はしませんが、超音波検査では、プローブを当てた瞬間に、脂肪肝かどうか判断できます。

検査中、そんな方に「今まで何か異常を指摘されたことはありますか?」と聞くと、多くの方は「ありません」と答えます。ところが「脂肪肝と言われたことはありますか?」と聞くと「それは毎年言われます」と答える方が多いのです。つまり、脂肪肝を異常ととらえている方が少ないのが現状なのです。

何の症状も出ないので、気楽に考えていらっしゃるかもしれませんが、残念なことに脂肪肝は、画像で見ても明らかに異常な状態です。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、脂肪肝になっていても痛くなったりはしないのです。

痛くなれば、お医者さんに行こうという気にもなるでしょうし、真剣に改善しようととり組むでしょうが、痛くもかゆくもないのですから、そんな気持ちには、なかなかなれません。しかし脂肪肝は、さまざまな病気の入り口に立っているというサインなのです。

実際、放っておく方が多い脂肪肝ですが、一体何がいけないのか、詳しく見ていきましょう。

脂肪肝
(出所)『内臓がきれいになる自分の整え方 「感情習慣」が病をつくる』
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