検査技師が憂う「脂肪肝」を放置する人の末路 成人男性の約4割、女性の約2割は内臓が汚れている

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NASHは、平たく言えば、アルコール以外の原因で脂肪肝になった状態が長く続くことによって起こる肝硬変。甘いものや脂っこいものが原因というわけです。その数は、肥満人口の増加に伴い、急増しています。そしてNASHと診断された人の11.3%が、肝臓がんになるとのデータがあります。「食べすぎでがんになる」なんて、信じられないかもしれませんが、実際にあり得ることなのです。

成人男性の約4割、女性の約2割が脂肪肝

NASHの手前の状態である脂肪肝も、当然、年々増加傾向です。データでは成人男性の約4割、成人女性の約2割となっていますが、私が検査をしている東京都内に限って言えば、もっと多い印象があり、肌感覚では検査に来た方の半数近くが「内臓が汚れている」という印象があります。

脂肪肝とは、シンプルな言い方をすれば、

① エネルギー過多(食べすぎ)の状態が過去にあった、または今現在その状態が続いている

② 過去に心や体に滞りがあった、または今現在その状態が続いている

③ 今現在糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞など生活習慣病の入り口に立っている

ということなのです。

つまり、脂肪肝は、今、なんとかしなければならないシロモノであり、絶対に放置してはいけないものだということです。脂肪肝は、エネルギー過多=食べすぎ、飲みすぎを改善したり、ストレスを減らすことで改善します。

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高渕 維斗 検査技師

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たかぶち いと / Ito Takabuchi

1968年岐阜県生まれ。信州大学医療技術短期大学部衛生技術学科(現医学部保健学科)卒業後、超音波専門の検査技師として、30年間で15万人のエコーを経験。見つけにくい微細な違和感を見つけるスキルに長け、早期がんなどを数多く発見。多くの著名人を担当しながらフリーランスの検査技師として、現在都内5カ所の医療機関に勤務する。検査室での会話から、不調が見つかる人には共通点があることに気づき、心のケアと予防の大切さを痛感。トータルカウンセラーとして、任意団体スコヤカロジカを立ち上げ、活動中。JADP認定メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。

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