群馬テレビだけじゃない!「ローカル局」の窮状 売上高は軒並み縮小、"存在意義"すら問われる

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

昨今は配信サービスの普及によって、テレビ局の存在意義そのものが問われる状況にまで来ている。群馬テレビでの広報番組を終了した群馬県は、2020年に県独自で庁舎に放送スタジオを開設し、YouTubeチャンネルの運営を開始している。

群馬テレビの本社
急激なコスト削減などを進めた社長を解職した群馬テレビ。群馬銀行出身者が歴代社長を務めてきたが、このほど初めて生え抜き社長が誕生した(記者撮影)

群馬テレビの中川新社長は「自分の言いたいことを自ら発信するオウンドメディアと、マスコミとしてのフィルターをかけたテレビの役割は違う。テレビにしかできないことを追求していきたい。ただし、かつてのテレビ局がそのままの状態で続けていたら、時代に取り残されるという危機感はある」と語る。

社内環境を正常に戻すことが先決だが…

前述の通り、群馬テレビの直近の売上高は5年前比で2割減の14.5億円にまで縮小している。16億円の売上高に戻すことが会社としての目標だという。

前社長の下での急激な改革により、今は新規事業を見いだせるような社内環境にはないといい、「まずは、かつてできていた仕事を正常な形に戻していく」(中川新社長)。その先で、既存の放送設備を活用した新規事業やイベント事業など、放送外の領域の拡大を目指す考えだ。

群馬テレビの一連の騒動は、ローカルテレビ局が直面している窮状が顕在化した一例といえる。業界全体がコスト削減と新規事業創出という共通の課題を抱える中、生き残りを懸けた戦いが続いている。

髙岡 健太 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たかおか けんた / Kenta Takaoka

宮崎県出身。九州大学経済学部卒。在学中にドイツ・ホーエンハイム大学に留学。エンタメ業界担当を経て、現在はM&Aや金融業界担当。MMTなどマクロ経済に関心。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事