一方で、ネット環境や設備、リテラシーは企業や学生ごとに違いがある。手探りと戸惑いの中で始まった新しい取り組みで、思うように就職活動が進められなかった人も企業も多いはずだ。
「私はもともと、美容系の会社に就職したかったんですよね。化粧品メーカーの企画職に憧れて、応募していたんですけど、うまく進んでも3次面接止まりで……。いろんなとこに応募したんですけど全部だめでした。
そこでもう一度考えて、あまり人と話すのが得意ではないのと、小さいころから手を動かすことが好きで技術や図工が得意だったので、工場に就職しました」
就職して1年目の年収は約300万 、3年目の現在の年収は約330万。給料は少ないほうだと感じていたが、周りから話を聞いてみると「手取り20万は結構いいほうだよ」と言われることもあり、平均から多く外れているわけではないと知ったそうだ。
実際、国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は男性が563万円、女性が314万円である。
手渡しされた初任給で、お金の重みを痛感
「社会人になって労働の大変さを痛感しました。8時間働いて、それを5日繰り返す生活が最初はものすごくしんどくて……。4月の最終日にお給料を手渡しでもらいお金の重みを知ったというか、稼ぐってこういうことなのかと感じて貰うときに手が震えました」
ういういさんは、子ども時代や学生時代を通じて、特にお金で大きく苦労したことはないという。学費や生活費は親が不自由なく負担してくれており、大学時代のアルバイトで稼いだお金は自分で使ったり、貯金に回したりしていた。親のありがたみを改めて感じたという。
「それに、世の中のお父さんお母さんって本当にすごいと思いました。こんなに働いているのに、帰って家のことも、子どものこともしている。私はボロボロの状態で家に帰ってもう後は何もできないって感じだったので」
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