東大生も間違えた「共通テスト英語」超難問の中身 広い視野でテーマを掴むことで正解を導き出す

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極論で言ってしまえば、第2段落を読まないほうが、答えを出しやすい問題だったんです。

「きちんと丁寧に訳していかなきゃ!」と意識すればするほど、ドツボにハマる問題だったのです。「細かいところは読めてないけど、きっとこれだろう!」と選べば正解になる可能性が高い問題だったと言えます。

広い視野でテーマを掴めているか

東大生は、英文を細かく丁寧に読んでいくのが得意な人が多いです。それで時間内に解き終わるし、わからないところで時間をかけてしまうことも少ないからです。そのため、今回の問題もしっかりと第2段落を読んで答えを出している人がほとんどでした。

でも、解けた人に聞くと、「時間がなかったので、あまり第2段落を読まずに解いたら、正解だった」と言っていました。

外国人と話していて、相手の英語を全て聞き取らないと!と考えている人はほとんどいないと思います。英語の新聞や記事を読んでいるときも、一文一文を読むのではなく、大雑把に理解していく人が多いと思います。今回の共通テストも、それと同じで、広い視野でテーマを掴む読解ができるかどうかを問うためにこの問題を出題したのではないでしょうか。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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