中学受験の「長すぎる出題文」を短時間で解く方法 傍線部の前後だけを読むと「悪い癖」がつく

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(写真:TY/PIXTA)
近年、入学試験等における出題文の「超長文化」が問題となっています。限られたテスト時間で長すぎる文章の問題を解くのは、人間がそもそも持っている「機能的能力」を超えている面があります。受験生はどう対応すればいいのか。東京都心部で25年以上合格実績を出し続ける中学受験国語塾を主宰しており、書籍『マンガでわかる! 読解力を10日で上げる方法』を上梓した善方威氏が解説します。

超長文化する出題文の問題点

出題文の超長文化は、中学受験国語にとどまらず、高校受験、大学受験、また同じ語学である英語、さらには数学など他の科目にも及んでいます。
例えば、都立高校の英語の長文問題が長すぎるために、丁寧に読んでいると問題を解けない子が続出していたり、「大学入試共通テスト」の数学の問題で「太郎と花子の『対話文』問題」が2問も出題され、「国語力がないと解き終わらない」(数学講師)ということが実際に起きているようです。(『AERA』2023年8月7日号より)

しかし、単位時間あたりの文章の処理可能量に関しては、人間に備わっている機能から考えられる限界が本来はあるはずです。にもかかわらず実際にはそのようなことは考えられていない場合も多いのでしょう。 

そして中学受験国語においては、その限界を踏まえた適切な量になっていると思われる学校もあればそんなことはおかまいなしに超長文を出すような学校も存在しています。

例えば開成中学や麻布中学などの国語の問題文はほとんどの年で超長文ではありません。しかし、これらの学校の滑り止め校と言われる中学では、超長文が毎年のように出題されています。このように実際は学校ごとに問題文の長さは大幅に違うのです。

※2023年度の開成中学は50分で約1万2000字、すべて記述式なので設問の字数はとても少ない。他方、同校を受ける生徒が第2志望にする場合が多いある男子校は選択式問題が中心で、約1万5000字の問題文と約5000字の設問という量で出題されている。
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