中学受験の「長すぎる出題文」を短時間で解く方法 傍線部の前後だけを読むと「悪い癖」がつく

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文法的な知識による対応

文法的な知識を利用して、文章読解のスピードを上げたり、正確性を高めたりすることが可能です。

(その1)接続語の用法を使って

接続語の用法を理解して記憶していれば、接続語の前をA、接続語の後ろをBとした場合「A→接続語」と読んできた段階で、Bの内容はある程度推測できるものです。

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例えば「つまり」「すなわち」「要するに」の典型的な用法は、「A =B 、BはAのまとめ」です。したがって、Aから接続語まで読んできた時点でBの内容を「Aと同じ意味内容でAをまとめたもの」、と推測して軽く読む(あるいは読まない)。

という対応をして、文章読解のスピードを高めることができるのです。

また、Bの部分が重要に思えるが、その意味内容がよくわからないときには「つまり、があるのだから、BはAと同じ意味なのだな」と推測することで、読解の正確性を高めることもできます。

(その2)主語述語を使って

主語の意識は、文章読解の正確性を高めるために極めて重要です。日本語では主語が省略される場合がとても多いため、主語の意識自体が欠落してる生徒さん(さらには親御さんも)がとても多いのです。これだと文章を精密に読む必要がある状況では、「誤読解」の危険性がとても高くなってしまいます。

ですから、文章を精密に読む場合には「省略された主語」を補う意識が必要です。

善方 威 中学受験国語塾β(ベータ)国語教室代表

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ぜんぽう たけし / Takeshi Zenpou

早稲田大学法学部卒。中学受験国語塾 β(ベータ)国語教室代表(経営者、指導責任者)。東京都内に5教室を展開(千駄木、本駒込、南青山、白金高輪、お茶の水)。講師数約20名、受講者数約100名。
司法試験受験生時の塾講師のアルバイトにて「法律の問題の解き方を国語の問題の解き方に応用できる」ことを発見。以後、思考力を高める方法、および、国語の問題の解き方を追究。四谷大塚講師を経て、1994年文京区千駄木に日本初の中学受験国語塾 β(ベータ)国語教室を開設。以来、約700人の受験生を、独自のノウハウに基づく完全1対1の熱血指導で合格に導いている。

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