中学受験の「長すぎる出題文」を短時間で解く方法 傍線部の前後だけを読むと「悪い癖」がつく
ところが、塾でのテストの出題は、その多様性に対応することなく、一律に長文化の一途をたどっているようです。その状況のもと「傍線部までジャンプして、途中は読まず傍線部の前後だけをさっと読んで答えましょう」というような指導が、実際に進学塾では行われています。
しかしこれでは、文章は「つながり」であり、そのつながり方は論理に裏付けられているという文章読解の本質を学ぶはずの国語の学習で、かえって悪い癖がつくことになってしまいます。まさに本末転倒です。では我々はどうすればいいのでしょうか?
超長文の出題には子供たちに誤読解の原因となる「読み飛ばし」の癖をつけてしまうなど、大きな問題があることは間違いありません。しかしここでは、その問題点は脇におくこととします。
以下では、①試験の現場の状況、さらには②現実社会での情報量の爆発的な増大の状況を前提として、超長文であっても、その文章を早く正確に読むのに有益な注意点をお知らせしましょう。
文章の種類による対応(論説文の場合)
⚪︎文章を読む順番を変えることによる対応=最終段落チェック
論説文は最終段落に「筆者の言いたいこと」が書いてあるのが一般です。それゆえ、早く読む必要性が高い状況のもとでは、最終段落をまず読んで、「その文で筆者が何についてプラス、何についてマイナスと言っているか」を把握します。
⚪︎文章のテーマによる対応
論説的文章の書き手には、その文章を書くにあたって、前提としている「背景知識」があるはずです。ですから、その背景知識を前もって理解して記憶したうえで文章を読むことで、読むスピードや正確性が上がります。
その背景知識の項目としては、
A 二元論スペシャル①(理性と感情の対比)
B 二元論スペシャル②(自己主張の文化と、妥協と協調の文化の対比)
C 言語の構造(意味と表現の結びつき方)
D 時空論(人は目の前に広がる光景だけでなく、そこから時間的空間的な広がりのある世界も意識している、という考え方)
が挙げられます。
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