「スマホ依存」抜け出せない人がまず観察すべきもの マインドフルネスの活用で衝動を"やり過ごす"

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ワシントン国立小児病院の睡眠医療科長であるジュディス・オーウェンズいわく、「睡眠不足は記憶、創造性、言語の創造性だけでなく、判断力ややる気にも悪影響を及ぼす」。

創造性は退屈さのなかで開花することも多いが、それもまたスマホによって私たちが大いに回避しやすくなった精神状態だ。

私が思うに、創造性にとって退屈がいかに重要かは、リン゠マニュエル・ミランダの言葉に集約されている。

数々の賞に輝いたミュージカル『ハミルトン』の生みの親であり、破格の天才はGQ誌のインタビューに次のように答えた。

「子供のころのことでよく覚えているのが、車で三時間の道のりを親友のダニーと過ごしたときのことだ。ダニーは車に乗るまえに庭先で小枝を拾って、車に乗ってるあいだじゅうずっとそれで遊びをつくってた……小枝でだよ。

棒は人間になったり、もっと大きな何かの一部になったりして、しゃべりだしたかと思ったら、今度は電話になった。ダニーの隣でぼくはドンキーコングを抱いてすわっていたんだけど、こう思ったよ。

すごいや、こんな枝切れで三時間も楽しめるなんてって。それで、よし、ぼくも自分の想像力を鍛えるぞって思ったんだ」

これを読んだとき、私は心のどこかで、小枝で遊ぶ時間をもっと増やさなきゃと思った。と同時に、それとは別のひねくれ者の自分が、「だれかがそういうアプリをつくりそう」と考えていた。

自分の人生を取りもどすのに必要な「スマホ断ち」

不安や緊張、そして[欲求が起こす]むず痒さとともに過ごすことを、私たちは学びます。そこを搔きむしりたい思いを抱えたまま、じっとすわりつづける練習をします。そのようにして、人生を支配しかねない依存的な行動パターンの、反応の連鎖をくい止める方法を身につけるのです。──ペマ・チュードゥン (チベット仏教の尼僧)

いい知らせがある。スマホによる悪影響の多くは取り消せる。集中の持続時間はまた延ばせるし、集中力も取りもどせる。ストレスを減らし、記憶力を改善し、夜にはふたたび熟睡できるようになる。

スマホとの付きあい方を変えることができれば、このデバイスから自分の人生を取りもどせるのだ。

その道案内をするのが”スマホ断ち”だ。ここではスマホ断ちの背景となる手法と考え方について少し説明しておこう。

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