紫式部が友達の人生相談に送る「心が晴れる言葉」 遠方に行くか悩む友達に、どうアドバイス?
少女時代の紫式部は、好奇心旺盛でした。暴風雨が吹き荒れ、役所や民家を壊すような災害があっても「どのようなことになっているか見てみたい」と外出しようとしていたようです。
また、父・藤原為時と弟の惟規の学問や読書の様子を見聞し、幅広い情報を吸収しようとしていました(物覚えの悪い惟規に業を煮やした為時は、吸収の早い式部に感嘆し、この子が男子であったならと漏らしたほどでした)。
子供の頃からの友人に送った歌
そんな式部の少女時代ですが、家族以外との付き合いもあったようで、『紫式部集』の冒頭にはそれを示すこんな歌が載っています。
「めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に雲隠れにし夜半の月かげ」
この和歌には詞書(和歌の前に書かれた短文、歌が詠まれた背景事情を説明する)として「早うより、童友だちなりし人に、年ごろ経て行きあひたるが、ほのかにて、七月十日のほど、月にきほひて帰りにければ」と詠まれています。
「ずっと前から、子供時代から友達だった人に、年月が経って会ったが、面会はほんの少しだけで、7月10日頃の月が入るのと争うようにして、帰ってしまった」との言葉どおり、紫式部にも、われわれと同じように、子供時代には、友達がいたのでした。
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