「AI先進国」になれるチャンスが日本にも到来 本郷バレーがシリコンバレーを超える可能性

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さらに、あらゆる物理的なモノがAIやIoTによってスマート化されていくとするならば、今とは比べものにならない量の半導体が必要となります。第4次産業革命で主力になるのはAIですが、それを土台で支えるのは半導体なのです。したがって、可能であるならば、日本は国を挙げて半導体産業をよみがえらせるべきでしょう。

「第4次産業革命」はAI×半導体で加速する

2022年8月にトヨタやNTT、ソニーなどが共同出資して、「ラピダス」という半導体メーカーが設立され、日本の半導体産業における最後の希望のように見なされています。そして2023年4月に、政府はラピダスに対して2600億円もの支援を決定しました。

ただし、ラピダスの成功は危ぶまれており、2ナノレベルという極小の半導体を量産する計画も無謀なものだと思われています。日本の半導体産業の復活は、困難を極めているのです。

可能であればGPUやそれに代わるAI用処理装置も国産できるようになったほうがいいでしょう。AIのベンチャー企業として有名な日本のプリファードネットワークス社は、独自のAI用処理装置「MNCore」を開発していますが、量産しているわけではありません。政府はせめて、優れた研究組織が生成AIの研究開発に必要なGPUを確保できるように資金を提供すべきでしょう。

経産省は、GPUを搭載したAIクラウドの設備に対し、68億円の補助金を出しています。このサービスは、さくらインターネット社が2024年1月から提供を予定しており、スタートアップ企業の活用が想定されています。こういった取り組みを拡充する必要があるのです。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事