「AI先進国」になれるチャンスが日本にも到来 本郷バレーがシリコンバレーを超える可能性

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私のある知り合いは、アニメに登場する女性キャラクターの、たとえば浴衣を着ている姿などを画像生成AIで作って大人気になっています。その画像を2万円で売ってくださいという人まで現れるほどです。でも本人はあまり儲ける気はないそうです。

これはまさに同人誌的な2次創作を、今度は画像生成AIを使って楽しんでいるということになります。なお、2次創作については著作権的な問題があるのですが、黙認されている状況です。

GPUなどを買う資金力が足りない

生成AIの利用という面では、日本はむしろ進んでいる面があるという話をしました。それでは、研究のほうはどうやったら推し進められるでしょうか?

今後、日本の企業や大学が、OpenAIと提携して共同研究をさせてもらえることもあるでしょう。そうすればノウハウが直接手に入るので研究がより早く進み、先端的なレベルに到達しやすくなります。したがって、このような動きは歓迎すべきです。

ただし、日本はAIに関わるノウハウや人材が不足しており、海外から取り入れる必要がありますが、もっとも足りないのは資金力です。

いまのChatGPTと同レベルの言語生成AIを開発するには、数百億円が必要だと言われています。特に、生成AIを動かすには高性能な「GPU」(グラフィック処理装置)がいくつも必要なので、それを購入するための資金がなくてはなりません。

私たちが持っている普通のパソコンで情報処理に使われているのは、「CPU」(中央処理装置)です。GPUは、元々コンピュータのグラフィックを描くために使われていた専用の処理装置です。それがAIの処理にも適しているということで、今ではAIを動かすのに欠かせないハードウェアになっています。ほかにも、グーグルの開発したTPUをはじめとするAI用の処理装置がありますが、今のところGPUが広く利用されています。それゆえ、GPUを開発している企業であるエヌビディア社の株価が劇的に上昇していて、10年前の100倍以上になっています。

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