パナマ運河の水不足問題、解決策には多額の費用 いずれの選択肢も、実行には何年もかかる見通し

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パナマ運河の水面から木の切り株が現れているPhotographer: Walter Hurtado Lozano/Bloomberg

世界中に物資を運ぶ巨大な船舶から数百フィート離れたところに、やせ細った木の切り株が水面から姿を現している。100年以上前にパナマ運河をつくるために水没させた森林地帯の跡だ。乾期の真っただ中に現れることは珍しくないが、今は雨期の直後で、通常なら完全に水没しているはずだ。

年間2700億ドル(約39兆円)相当の世界貿易を扱う水路が、いかに干ばつで機能不全に陥っているかを示している。簡単な解決策はない。パナマ運河庁は、運河に水を送り込むための人工湖や、人為的に雨を降らせる方法などの策を検討しているが、いずれの選択肢も、実現可能であるとしても実行には何年もかかるだろう。

水位が通常より6フィート(約1.8メートル)低いため、パナマ運河庁は通航可能な船舶の数に上限を設けた。昨年末に実施された制限は、米国が事実上の支配者だったマヌエル・ノリエガ将軍を排除するためにパナマに侵攻した1989年以降で最も厳しいものだった。パナマ運河の異例の渋滞を受け、ある船主は数百万ドルを支払って列の先頭で通過。アフリカや南米を回る、より長くコストのかかる航路を選ぶ動きもある。

ボトルネックは再び悪化する見込み

その後、11月に予想以上の雨が降ったため、状況はやや緩和された。それでも1日当たり最高24隻と、干ばつ前の約38隻を大きく下回っている。乾期に入り、ボトルネックは再び悪化する見込みだ。

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