また、こうしたネット上のサービスは、場所を選ばず全国どこからでもアクセスできるのも特徴だ。富山県に住む田中有子さん(仮名、28歳)も、ドロップシッピングでフリーキャリアを築いている女性の一人。「会社勤めしているよりも自分にスキルは身に着くし、“安定した職業”だと考えています」という。販売の仕事に就いていたが会社に勤めることは辞め、4月からウェブデザインなどを学ぶため学校に通い始めたという。
セカンドキャリアとしてのフリーキャリア
サービス業や銀行などで働いてきたtomoさん(ハンドルネーム、39歳)は10年前、第1子の妊娠を機に会社を辞めた。その後は専業主婦として子育てに専念してきたが、2年ほど経った頃からだんだん働きたいと思うようになったという。ところがその後、第2子の出産に続いて夫の転勤が決まり、仕事探しの機会を逸していた。
そこで始めたのがドロップシッピングだ。夫には「『ネットで稼ぐ』なんて怪しすぎる。頼むから何もしないでくれ」と反対されていたが、見知らぬ土地で幼い子どもを2人抱えたtomoさんにとって、働きに出るという選択肢は残されていなかったのだ。
最初は、見よう見まねで少しずつ始めたものの、開設したショップから商品がひとつポロっと売れたことで、のめり込んでいった。子どもたちが寝てからパソコンを開き、ショップの手入れをしているといつの間にか朝を迎えていたということもしばしば。多い月で売り上げが100万円を超える(tomoさんが得た利益は10万円超)こともあったという。
「夫の転勤に伴って転居した先で、陰湿なママ友いじめに遭ったことがありました。仕事を持っていたことでどれだけ精神的に救われたか。子育て専業で生活していたら、追い詰められてどうなっていたかわかりません」(tomoさん)。
現在は、子どもたちが幼稚園や学校に行っている間に2時間ほどパソコンを開く。だいたい月5~6万円の収入があるというが、「これだけでも子どもの習い事の月謝になります」とtomoさんは言う。
3歳の子どもを持つ五十嵐愛さん(32歳)は、クラウドソーシングでイラストの仕事をしている。結婚後に離職し、再び働きたいとは思っていたものの、子どもが生まれてからはなかなか身動きが取れなかった。
そんな中、クラウドソーシングというサービスに出合い、趣味のイラストを仕事として受注するようになる。やがてクチコミで新しいクライアントが増え、イラストやデザインの仕事が次々と舞い込むようになった。現在、月の収入は10万円ほど。「ひとつ仕事をこなすと、それでスキルも一段上がるし、実績を積むこともできます」(五十嵐さん)。今後も積極的にイラストやデザインの仕事を受けたいと意欲的だ。
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