アメリカで横行「EV新興企業詐欺」の愚かな実態 口先だけの新興企業は「ニコラ」だけではない
一群の電気自動車(EV)スタートアップとその推進者たちが残した財務上の惨事を浮き彫りにする詐欺事件で、電気トラック会社ニコラの創業者は18日、禁錮4年の判決を言い渡された。
昨年陪審員が証券詐欺1件と電信詐欺2件で有罪の評決を下したことを受けて、ニューヨーク市マンハッタン区の連邦判事エドガルド・ラモスがニコラの創業者で元CEO(最高経営責任者)のトレバー・ミルトンに判決を下した。ミルトンは、ニコラについて途方もない主張を行うことで株価をつり上げたとして訴えられていた。
EVトラックも燃料電池も全部ウソ
ミルトンは投資家たちに、ニコラには排ガスを出さない長距離トラックの実際に動く試作車があり、数十億ドル相当の拘束力のある注文を抱え、低コストの水素燃料電池を生産していると語っていたが、検察はこれらの発言はすべて虚偽だったとして、11年の禁錮刑と500万ドルの罰金を科すようラモスに求めていた。容疑を否認しているミルトンの弁護士は執行猶予を求めていた。
ラモスはまた、ミルトンに100万ドルの罰金を科し、後日決定される賠償金の支払いも要求すると述べた。ミルトンは保釈されたまま上訴を続ける。
EV会社の経営陣で有罪判決を受けた者はほとんどいないが、利益を生まず、乗用車やトラックを量産することなく何十億ドルという資金を集め、株主に巨額の損失を残した新興EV企業はニコラだけではない。