アメリカで横行「EV新興企業詐欺」の愚かな実態 口先だけの新興企業は「ニコラ」だけではない
空売り投資家が実績や見通しを誇張していると公に非難していない企業でさえ、自動車の生産はとんでもなく難しい課題であることが判明している。
カヌーは、ウォルマートをはじめとする顧客から7億5000万ドル相当の電動バンの受注を抱えていると発表している。同社はオクラホマ州の工場で増産を進めていると広報担当者は語ったが、本格的な納車が始まる時期についてはコメントを避けた。
自動車を何千台と生産できた企業に対しても、投資家は一段と懐疑的になっている。11月初旬までに約3000台を納車したフィスカーの株価は、2021年につけた高値から95%下落。今年少なくとも8000台の高級電気セダンを生産するとしているルーシッドの株価は93%下落している。
さらに、電気ピックアップトラックとSUVのメーカーで、多くのアナリストが生き残る可能性が最も高い新興企業と見なしているリビアンの株価も80%下落した。
ニコラ創業者は自身の経歴も詐称
多くの場合、あまりセンスのない投資家がその損失をもろに被ることになった。検察は量刑に関する覚書の中で、ミルトンは「専門家ではない個人投資家につけ込む持続的なスキームに関与した」と述べている。
そこには、広大な大地に伸びた道路を走る試作車の動画をYouTubeに投稿し、実際に機能する車両を同社が手にしているかのような誤った印象を与えたことも含まれる。
検察によると、ミルトンは自身の経歴も偽っていた。他人に金を払って大学での課題を肩代わりさせたことで退学処分になっていたにもかかわらず、起業の夢を追うために大学を中退したと語っていたのだ。
ミルトンは2020年半ばにニコラ株の一部を1億ドルで売却した後、飛行機やタークス・カイコス諸島の不動産などの贅沢品に8350万ドルを費やした。
(執筆:Jack Ewing記者)
(C)2023 The New York Times
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