ザック・スナイダー語る「情熱持ち続ける」仕事術 ハリウッドで自分自身の個性を守り続けた

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――面白い仕事ですね。

確かにほかと違ったスキルを求められる仕事だと思います。ある意味、秘密のベールの裏側にいるアーティストのような感じでありながら、同時に技術的な職人というか。現場でものをつくりあげるという、両方の側面を持ち合わせている仕事なので。

それと自分はプロデューサーでもあるので。ほかの作業をしているときに、使っていない照明が目に入ったりすることもあるわけです。

そうすると「あそこの照明機材、もし使わないんだったらレンタル代も高くつくから返していいよ」と言って、制作費をセーブすることもありますよね。マルチタスクというのはそうかもしれないですね。

――どうやったらスナイダー監督のようにエネルギッシュに働くことができるんでしょうか?

自分の仕事に対する哲学は、たとえ仕事のタスクが何であれ、自分の中の一番高いレベルでベストを尽くすこと。それは職人的な考え方かもしれないけれど、何をつくるにしても極めることが大事だと思う。

それは休日にビーチに遊びに行って砂のお城をつくるときであっても、役員がたくさんいるようなミーティングであったとしても、同じアプローチです。ディテールを大切にすることを心がけてますね。

プロジェクトへの向き合い方

――こうした大規模なプロジェクトを遂行するにあたり、長い期間にわたって情熱を燃やし続けないといけないと思うのですが、どうやってそのモチベーションを保っているのですか?

これは錬金術みたいなもので、なかなか説明できることではないんだけど、自分のDNAの中に組み込まれているということはあると思います。朝起きた時に、つくりたい、やりたいという思いが湧き上がってくる。それはけっしてドラッグとかではないんだけどね(笑)。

ある種のアドレナリンみたいなものというか。あと自分はいろいろなプロジェクトを進行させているので、飽きることがないんですよ。いつも何かをしているから楽しい、というか。それと絶対に完成しないプロジェクトを用意しておくことも大事ですね。それは仕事でなくても、植木を育てるとか、そういった趣味でいいわけですけど。

そうすることで、たとえば『REBEL MOON』の作業に煮詰まったときに、別のことに向き合うようにすれば、気分もリフレッシュすることができるし、そこからまたフレッシュな気持ちで『REBEL MOON』に向き合うことができる。自分はそういうふうにしてプロジェクトに向き合うようにしています。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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