WiiUは、一家に一台・家族全員が遊ぶデバイス、ソフト会社との連携も強化--岩田聡・任天堂社長
そのときは、業界の人たちの意見を聞いてものを作るというよりは、自分たちでユニークなものを作って自分たちの存在価値を示す以外に方法はないと思いながら(Wiiを)作っていましたから、必然的に出だしのソフトメーカーさんのサポートが弱くなりました。
今回はせっかくWiiがこういう(よい)結果を出したから、社外のソフトメーカーの方々の中にも、「次は任天堂の新しいゲーム機(の作る波)にうまく乗りたい」と考えてくれる人が以前よりも増えている。これはありがたいことです。そういう人たちといろいろ取り組んでいるつもりです。
自分たちだけで何でもやるときのスピード感と、得意分野の人たちと組んだときのスピード感は全然違う。これだけ世の中のスピードが速い時代ですから、よりスピード感ある展開をしていこうということで、新たな取り組みをしています。
--従来のWiiは今後どういう位置づけになるのか。
Wii UがWiiと同じ値段で売れるとは思っていない(今のWiiよりも高額になるだろうという意味)ので、Wii U発売後もすぐにWiiが市場からなくなるとは思っていません。ただ、長い時間をかければWii Uのような新しいコンセプトのものにだんだんと切り替わっていくだろうなと思っています。
■3Dはこれから生かされてくる
--ゲーム業界が考えているほど3D(3次元)画像には魅力がないのではないか。
もちろんゲームソフトの中には、3D画像に向くものと向かないものがあります。立体空間を動き回るゲームでは3Dの楽しさがよくわかる。今回発表した、「スーパーマリオ」の3Dの新作は、奥行きのネタが初めて使えるようになりました。奥の方向へマリオが走っていって、ブロックの上にポーンとうまく乗れるようになるということが、(ユーザー側が)距離感をつかんでできるようになったのです。