自分の家庭を持ちたいという気持ちはつねにあったと振り返る健二さん。メンタルをやられてしまい、恋愛も婚活もできないままに40代半ばに。職歴が長くなるにつれて職場での居心地はかなり改善したが、病気が完治したわけではない。
病気のことは伏せずに結婚相談所へ登録
「45歳のときに親が探してきた結婚相談所に登録しました。カウンセラーの方からは病気のことはプロフィールでは伏せるように言われたのですが、それは違うかなと思ったのです」
健二さんの生真面目さがわかるようなエピソードである。その後はマッチングアプリを使い、4歳年下の女性と交際することができた。1年後には結婚式を挙げたが、同居もせず婚姻届も提出しないままで関係が終わってしまった。「徐々に考え方がズレていった」としか言いようがないという。
「ややきつい性格の女性で、意見がぶつかったりすると3週間も音信不通になることがありました。相手をよく知らないまま結婚に向かって突っ走ってしまったのが良くなかったのだと思います」
その別れに納得してくれた両親には、「私たちもいつまでも生きているわけではないから」と結婚を勧められ続けた。ちなみに健二さんは2人兄弟の次男で、兄は結婚していて子どもがいる。持病もある末っ子の将来が心配だったに違いない。
今度は自分で結婚相談所を見つけることにした健二さん。その基準は、1人ひとりの意見と状況を尊重して丁寧に対応してくれそうなこと、だ。ネット記事などを読んで検討し、愛知県内の結婚相談所に登録した。
現在は発達障害で障害者手帳も持っている健二さん。病歴に加えて「精神障害者」であることもプロフィールに書くと、「100人に申し込んでもお見合いに応じてくれるのは1人いるかいないか」だったという。それでも今回の結婚相談所のカウンセラーは辛抱強くマッチングを続けてくれた。
健二さん自身は国籍や民族の違いにこだわりはないが、古い世代である両親は「日本人女性と結婚してほしい」が本音。しかし、婚活の厳しさに直面し、大切なのはお互いの人間性を認め合うことだと感じていた健二さんは「50歳を過ぎたので自分の好きなようにやらせてもらう」と親に伝えた。そして優しそうなマイさんにお見合いを申し込んだ。
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