「精神の病」で4回休職した彼が婚活を経て得た人生 地方公務員52歳男性が出会った気のあう伴侶

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マイさんも来日してからは苦労を重ねた。ベトナムで付き合っていた男性もいたが、自分は日本で学んで生活していきたいので別れを決意。飲食店などのアルバイトを3つかけ持ちしながら生活費と学費を稼いで日本語と化学を学んだ。

「勉強もアルバイトも忙しくて、(男性との)出会いはありませんでした」

母親から結婚へのアドバイス

愛知県内の専門商社に就職したのは34歳のとき。しかし、毎日23時過ぎまで働くような職場で、飲み会への半強制参加もあってマイさんは疲弊してしまった。

「社長のお伴でベトナム出張をしたこともあります。社長は『ベトナムの料理は口に合わない』と日本食レストランばかりに行っていました。悲しかったです」

その会社は2年で辞め、現在のメーカーに転職。残業も飲み会もない労働環境が大いに気に入っている。日本での暮らしにもすっかり慣れたマイさんは、1人で料理して1人で食べるのは寂しいと思うようになった。

結婚相談所に入ったきっかけは、ベトナムにいる母親がコロナにかかった弱った声で「あなたも結婚してほしい」と電話で口にしたことだ。相手は自分で決めていいけれど、日本人ならばとにかく優しい人を選びなさいと言われた。そして、健二さんからのお見合い申し込みがあった。

「プロフィールに病気と障害のことを正直に書いてあって誠実な人だと思いました。私は精神的に弱って仕事を辞めたことがありますが、健二さんは頑張って仕事を続けているので尊敬しています」

ただし、真剣交際から結婚に進むことには迷いがあったとマイさんは明かす。妹気質でおっちょこちょいな自分が健二さんをちゃんとサポートできるのだろうか、と。

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