読書好きの徳川家康が熱心に読んだ「ある1冊」 侍医の板坂卜斎は家康を学問好きと評した

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どうする家康 大河ドラマ
徳川家康公銅像(写真: ブルーインパルス / PIXTA)
今年の大河ドラマ『どうする家康』は、徳川家康が主人公。主役を松本潤さんが務めた。今回は徳川家康が愛読したある本について解説する。
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徳川家康は学問好きであった。家康の侍医を務めた板坂卜斎(いたさか ぼくさい)は、家康の学問について「家康公は書籍を好まれた。僧侶や学者とも常々話された。学問を好まれた。詩作・歌・連歌はお嫌いであったが、論語・中庸・史記・漢書・六韜・三略・貞観政要、和本は延喜式・東鑑を愛読していた。漢の高祖(劉邦)の度量の大きいことを褒められ、唐の太宗や魏徴を褒められ、張良・韓信・太公望・文王・武王・周公、日本では源頼朝の話を常々された」と記している。

源頼朝を尊敬していた家康

源頼朝の話をよくしていたというのは、武家政治の創始者としての頼朝を家康が尊敬していたからだろう。鎌倉幕府の準公式記録ともいうべき『吾妻鏡』をよく読んでいたのも、頼朝から学ぼうという姿勢の表れかもしれない。

また卜斎の話からは、中国の古典をよく読んでいたことがわかる。家康が好んだ中国の古典として挙げられている『貞観政要』は、現代においても、経済人や学者が絶賛する書物である。

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