仕事できない人ほど「頭がいい」に憧れる納得の訳 成果につながらない「頭がいい人」の呪いに注意

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会話をするビジネスパーソン
ビジネスパーソンが目指すものはあくまで成果であり、「頭がいい」ではありません(写真:Fast&Slow/PIXTA)
「数字に弱く、論理的に考えられない」
「何が言いたいのかわからないと言われてしまう」
「魅力的なプレゼンができない」
これらすべての悩みを解決し、2万人の「どんな時でも成果を出せるビジネスパーソン」を育てた実績を持つビジネス数学の第一人者、深沢真太郎氏が、生産性・評価・信頼のすべてを最短距離で爆増させる技術を徹底的に解説した、深沢氏の集大成とも言える書籍、『「数学的」な仕事術大全』を上梓した。
今回は「頭のいい人」という言葉について取り上げ、なぜビジネスパーソンはその言葉に反応しやすいのか、深沢氏独自の視点で解説する。

ついつい反応してしまう言葉

「頭がいい人」というワードは非常にパワフルです。あなたもこのフレーズが入ったビジネス書を書店で見かけたことはないでしょうか。あるいはインターネットの記事などでこのフレーズが入ったタイトルを見てつい読んでしまったことはないでしょうか。

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私は仕事柄、ビジネスパーソンに向けて情報発信をしています。発信方法は、動画であったりメールマガジンであったりさまざまですが、私は必ずその反応をデータで確かめるようにしています。

これまでいろいろ実験してデータの変化を見てきましたが、明らかに「頭がいい人」というフレーズが入ったものの反応が圧倒的にいいのです。いまこの記事を読んでくださっているあなたも、もしかしたらこの「頭がいい人」というフレーズに何かを感じてくださったのかもしれません。

そこで今回は、なぜビジネスパーソンは「頭がいい人」に反応するのか、ビジネス数学・教育家の立場から考察してみたいと思います。

私は以前、ある記事において次のように述べました。

ビジネススキルの文脈においては「頭がいい人」と「成果を出す人」は同義である

頭がいいのに成果が出ていない人は基本的にいない、というスタンスです。ですからビジネス書のタイトルで表現される「頭がいい人」は「成果を出す人」の換言にすぎません。あくまでもビジネススキルの文脈においては。

しかし企業研修などでビジネスパーソンの育成を仕事にしていると、実はこの定義が当てはまらない人がたくさんいることを知ります。すなわち、頭がいいこと(正確には頭がいいと周囲から思われていること、あるいは自身でそう思っていること)と成果を出すことが別物になっている人がいるのです。

次ページ背景には「2つの心理」がある
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