「数値化するほど成果が出ない」日本企業の深刻盲点 「局地」と「短期」で相性が悪い数値化を有効活用
「数値化しなさい」という正論の罠
さっそくですが、あなたにひとつ質問です。
「あなたは仕事において積極的に数値化をしていますか?」
圧倒的に多いのは「NO」と答える人であり、「YES」と答える方は素晴らしいと思います。そこで「YES」と答える方にもうひとつ質問をします。
「積極的に数値化した結果、肝心の成果は良くなりましたか?」
この質問は私がビジネス数学・教育家として企業の人材育成や組織開発のサポートをする中で、実際の研修で行う質問の一部です。意外にも、2番目の質問に対して前向きなコメントが聞けません。
ここで重要なのは、「積極的に数値化しているにもかかわらず成果が出ない」という事象が存在することです。いったいなぜでしょうか。
仕事の生産性を上げたり業務改善を進めるためには、その仕事に関する情報を数値化することが必要です。たとえばマーケティング活動を最適化したいのであれば、かけている費用や時間を数値で測定し、それに対して得られるものも数値で把握することが必要でしょう。そのため、ビジネスにおいて「数値化しなさい」という指示は、極めて正しい指示と言えます。
しかし、数値化を推奨すればするほど、社内に定着すればするほど、実は従業員を苦しめる結果になることをご存じでしょうか。
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