「数値化するほど成果が出ない」日本企業の深刻盲点 「局地」と「短期」で相性が悪い数値化を有効活用

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なぜ「積極的に数値化しているにもかかわらず成果が出ない」ということが起こるのか。私の答えは、「そもそも数値というものは人間との相性が極めて悪いから」となります。

「数値」は人間っぽくない

たとえば、ビジネスパーソンに「数値」という言葉から連想した別の言葉を質問すると、次のような答えが圧倒的に多いのです。

「冷たい印象」「絶対的なもの」「客観的なもの」……

一般論として、人間は温もりが大好きな生き物です。「心が温まる」という表現は好んで使いますが「心が冷える」という表現はポジティブなものではありません。また、世の中に「絶対的なもの」がどれほどあるかと考えると、「絶対に成功します」と断言する人ほど信用できないと感じるのは私だけではないはずです。加えて、私を含め多くの人が「客観的」になれないからこそ、いつまでも人間関係やコミュニケーションで悩むのだと思います。

すなわち、「数値」は人間っぽくないのです。よって私も含め一部の「数値を扱うことが大好き」という特殊な人を除けば、ほとんどの人にとって数値というものは極めて相性が悪いものと考えます。ここに大きな落とし穴が潜んでいるのです。

積極的に数値化をしていくということは、仕事をする環境においてさまざまなものが数値化されるということになります。大雑把に言えば、「数値まみれ」になるということです。

極端な例で考えてみましょう。あなたの職場ではすべての人の会話が記録され、時間や質などがすべて数値化されるとしましょう。あなたの上司からの評価、部下からの評価もすべて数値化されます。デスクワークをしている際、目線がどう動いたか、どれだけ集中しているかがすべて記録され、これもまた数値化されます。

そんな環境に身を置くことを想像してみてください。おそらくあなたは「なんだか息苦しい」と思うはずです。

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