やった後悔とやらない後悔のどちらが尾を引くか もっと冒険しておくべきだったと嘆く人は多い
行動しなかったことに対する後悔は行動したときの2倍
トーマス・ギロヴィッチ、ヴィクトリア・メドヴェクらの研究では、人は行動したことを後悔するより、行動しなかったことを後悔する場合が多いという結果が繰り返し明らかになっている。
とくに、長期間に及ぶ後悔にはこのタイプのものが多い。「行動しなかったことに対する後悔は……行動したことに対する後悔よりも、長く尾を引く」と、ギロヴィッチとメドヴェクは初期の論文で記している。
私が大手のソフトウェア・データ分析会社と協働のもと立ち上げた調査「アメリカ後悔プロジェクト」の回答でも、行動しなかったことへの後悔が行動したことへの後悔の2倍近くに上っている。また、別の調査によると、中国、日本、ロシアなど、個人主義的傾向が比較的弱い社会でも、行動しなかったことへの後悔のほうが目立つという。
その主たる理由は、行動した場合、結果が明らかになるという点にある。結果がわかっているので、後悔の感情が続く期間が短くて済むのだ。一方、行動しなかった場合は、その後どうなったかは想像するほかない。
「行動しなかったことに対する後悔は、行動したことに対する後悔よりも、生々しく、現在進行形で未完成の性格が強いため、意識に上る頻度も高い」と、ギロヴィッチとメドヴェクは記している。
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