「世界一幸せなデンマーク人」と日本人の違い 働くモチベーションからして全然違う
欧米で大ブームの「ヒュッゲ」とは?
――欧米では今、たとえば家族や友達と過ごしたり、暖炉の前でまったりしたりする時間、デンマーク発の「ヒュッゲ」なる概念が大流行しているそうですね(Hygge=ヒュッゲとは、デンマーク語で「居心地のいい時間や空間」といった意味のデンマーク特有の概念)。
ものすごくはやっている。ただ、欧米では新しいマインドフルネスや、ウェルネスの一種としてマーケティングされていて、これは本当の意味でのヒュッゲとは異なる。ヒュッゲはデンマークで何百年以上にわたって行われていることで、簡単に「輸入」できるようなものではない。
著書の中では、ヒュッゲに対して辛辣なことを書いたが、実際は嫌いではないし、いい面もたくさんある。ただ、デンマーク人の多くは、ヒュッゲ的であることに取りつかれているというか、こだわりすぎている。
――欧米人も北欧人の生活にあこがれているのですね。
端的に言うと、今の世界は非常に恐ろしい状況にあるから、北欧にシェルター的な役割を求めているのだろう。欧州連合(EU)離脱という判断をしてしまった英国人は特にそうかもしれない。たくさんの人が後悔しているし、それ以上たくさんの人がこれから何が起こるのかに対して恐怖心を抱いている。ヒュッゲはそういう状況にある人が、布団をかぶって目と耳を隠しているようなもので、いっときのエスケープかもしれない。ある人は宗教に助けを求め、ある人はヒュッゲを癒やしの手段として選んだわけだ。
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