やった後悔とやらない後悔のどちらが尾を引くか もっと冒険しておくべきだったと嘆く人は多い

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いま後悔しているのは、キャリアの初期にもっと勇気をもって大胆に行動しなかったことです。ほかの人たちにどう思われるかを気にしすぎていました。

実際、キャリアで安全策を選んだ人はしばしば、中年期になって過去を振り返ったとき、もっと別の生き方をすべきだったと考える。ペンシルベニア州の56歳の男性は、「14年前に、この会社では満足できないと気づいていたのに、会社を辞めなかった」ことを後悔している。イギリスの53歳の男性は、「無難な職に長くとどまらずに、もっと早く、自分の本能に従い、もっと自分の核を成す価値観に沿った仕事に就くべきでした」と語っている。

やってしまったと後悔する人は少数

オレゴン州の54歳の女性は、「30代後半の頃にもっと勇気を出して、新しい土地で働けばよかった」と悔やんでいる。この女性は、自分の後悔をひとつの言葉に集約して表現した。「腰を落ち着けすぎました」。

勇気に関わる後悔で非常によく見られたのは、自分のビジネスを立ち上げなかったことを悔やむ言葉だ。ニコル・セレーナは、大手製薬企業で長年働いたあと、カナダのトロント近郊で会社を設立した。コンサルティングと研修を手掛ける会社だ。後悔しているのは、もっと早く会社をつくらなかったことだ。

同様のことを述べている人は、ほかにもいる。「もっと早い時期に、もっと思い切って行動すべきだったと思っています」と述べたのは、あるカリフォルニア州の起業家だ。「最後には会社を設立したけれど、権威ある人たちの言葉に耳を傾けて時間を無駄にしてしまいました」。

一方、自分のビジネスを始めたものの、廃業に追い込まれた人たちの中には、リスクの大きすぎる行動を取ったことを悔いている人も何人かいた。知識やスキルが不足していたり、起業を甘く見ていたりしたことが失敗の原因だったと、そうした人たちは述べている。しかし、このような回答を寄せた人たちは圧倒的に少数派だ。思い切って挑戦しなかったことを後悔している人のほうがはるかに多い。

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