「TV放送を食うサブスク」の頭打ちが続く納得事情 約220万台の視聴ログでわかった視聴者ニーズ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

視聴量が伸び続け、いずれは完全にテレビ放送に置き換わるようにも見える動画配信だが、さらに詳細にデータを見ていくと「成長の壁」も見えてくる。

動画配信の成長の壁を示唆する1つ目のデータが、有料動画配信サービスの視聴時間の頭打ちだ。次の図表では、スマートテレビにおける動画配信の視聴時間を無料のサービスと有料のサービスに分けて直近4年間の推移を示した。

YouTube、TVer、ABEMAを含めた無料広告型のサービスの視聴時間が伸び続けている一方で、NetflixやAmazon Prime Video等を含めた有料配信は2022年に頭打ちとなっている。

コロナ禍での巣ごもり需要の解消に伴って、有料動画配信サービスが伸び悩んでいるのは世界的な傾向だ。「一気見」というオンデマンド視聴ならではの新たな視聴スタイルとともに成長してきた有料配信サービスだが、ドラマや映画のようなまとまった時間を要求するコンテンツに費やせる時間そのものが限界に達してきているようだ。

ほとんど普及しない、朝の動画配信視聴

動画配信の成長の壁を示唆する2つ目のデータは、朝の視聴が普及していないことだ。平休日、時間帯別の放送と配信の平均接触率を示した。2021年と2023年のどちらの年で見ても、配信は夜や休日の接触率が高い一方で、平日の朝の接触率は5%程度と非常に低いままだ。

2021年から2023年にかけての変化に着目しても、平日朝は配信の接触率がほとんど伸びておらず、放送の接触率が比較的高い値で維持されている。結果として、平日についてはテレビ放送が最もよく視聴される時間帯は夜19時から朝7時に変わった。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事