TV放送収入急減は小休止だが、楽観視はできない テレビ視聴者はいよいよネット世代に入れ替わる

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テレビを見る若者
ネット世代は2015年には少数派だったのが、2025年には半々になり以降は多数派になっていく(写真:kou/PIXTA)
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2024年度第1四半期の在京キー局の決算が出揃った。テレビ局経営の屋台骨である放送収入は、2021〜2023年度まで、平均-5%ずつぐんぐん下がっていたが、この第1四半期は少し変化が見えた。日本テレビ-0.6%、テレビ朝日+0.8%、TBS+1.3%、テレビ東京+2.8%、フジテレビ-2.3%と、フジテレビだけマイナスがまだ大きいが、全体としては続いていた急減が踊り場に入った状態。第1四半期だけなのでまだなんとも言えないが、ジェットコースターのような急落は小休止したように見える。というのも、視聴率の急減もペースが弱まりつつあるようなのだ。

4月クールPUT推移
(グラフ:日本テレビHDおよびTBS HDの決算説明書記載のデータから筆者作成)

4月クールのゴールデンタイムのPUT(総個人視聴率)を見てみると、2019年に36.6%だったのが2020年はコロナ禍により在宅時間が増え40.7%に急上昇。ところが2021年には35.7%へと急落し、2022年32.4%、2023年30.9%、そして2024年にはついに30.0%にまで下がった。コロナ禍をきっかけに、テレビをネットに接続して動画配信サービスを見る人が増えた流れが落ち着いたのだろう。ゴールデンタイムにテレビを見ている人が3割を切りかねない勢いだが、下げ幅は減少した。テレビ局最大の商品とも言える視聴率の下がり方が落ち着いたところで、放送収入の急減もひとまず小休止となった。

ただ、今後放送収入がまた下がることはあっても、再び上がることはない。その覚悟はもはや放送業界全体がしているはずだ。

TVerは今後の成長を担う重要な柱

テレビ局は新たな収入の道を探している。その最有力株がTVerだ。各局の番組配信の受け皿として再生数もUB(ユニークブラウザー)数も急増中で、この第1四半期もその傾向は変わらない。各局の決算説明書には「配信広告収入」の数字、ほぼTVerからと見ていい売り上げがテレビ東京を除き記載されている。日本テレビは約18億円(+51.6%)、テレビ朝日は約17億円(+35.4%)、TBSは約20億円(+27.3%)、フジテレビ約19億円(+62.1%)と各局とも驚異的な伸び率だ。

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