テレビ局の放送収入激減と「ジャニーズ問題」 「70年間築き上げてきたやり方」はもう続かない
民放キー局の今年度第2四半期決算が出揃った。コロナ禍で乱高下した放送収入は2022年度に大幅に下落したが、同じ傾向が今年度も続き、放送事業の売り上げ減少がこの先も続くことが確定したと言っていいだろう。
「放送離れ」と激減する放送収入
キー局は持ち株会社制をとっており、グループ全体の数字からは放送事業そのものの状況は見えてこないが、決算資料から放送収入だけを抜き出してみるとよくわかる。
2023年度第2四半期では日本テレビ-6.4%、テレビ朝日-1.9%、TBSテレビ-3.9%、テレビ東京-5.0%、フジテレビ-8.3%と各局とも放送収入は前年比ダウンとなった。タイム(番組の提供CM枠の収入)ではテレビ朝日(+1.9%)とTBSテレビ(+1.1%)はプラスとなったが、スポット(番組と番組の間に流れるCM枠の収入)はいずれもマイナスで、テレビ東京(-11.2%)とフジテレビ(-12.6%)は1割を超える大幅減となった。
原因はさまざまあるが、なんと言っても視聴率が激しく下がっているのが主要因と思われる。2020年度にはコロナ禍で巣ごもり生活を強いられ、ゴールデンタイムのPUT(総個人視聴率)は39.1%にまで上がった。
ところがこのとき、多くの人々がテレビをネットにつないで無料のYouTubeをはじめ、有料のNetflixやアマゾンプライム・ビデオなどの配信サービスがテレビで楽しめることを知った。それが「放送離れ」を引き起こし、視聴率はみるみる下がっていった。今年度のゴールデンタイムPUTはついに30.9%にまで下がり、年内には30%を割るかもしれない。
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