「おむすび権米衛」普段買い需要を捉えるこだわり イベント買い「おにぎりぼんご」は1個300円台が中心

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コロナ禍の初年度は逆風を受けて苦戦した「おむすび権米衛」だが、その後は急回復し、業績は好調だ。運営するイワイの2023年3月期の売上高は約35億7500万円(前期比18%増)となっている。

来年で25周年を迎える専門店として、最近のおにぎりブームについてどう思うのか。

「ブームとなっているのはうれしいです。おコメを食べてもらえる機会が増えますから。コメ消費量は年々減っており、朝食はパン派という家庭では、炊飯をする機会も減っています」(鈴木副社長)

農家から相場より高い価格でコメを購入

同社の経営理念には「お米の消費拡大を通じて日本の農業に貢献します」の一文もある。

もともと創業者の岩井健次社長が起業前の商社勤務時代、食料自給問題に危機感を抱き、試行錯誤の末、おにぎり専門店の事業展開を始めた。同社は生産者から60キログラムの産米を2万4000円で購入する(2023年産米の9月分の相対取引価格は平均1万5291円)。

最後に、おにぎりブームは今後どうなるかを考えた。

大半の消費者は冷静に見つめており、調査金額にも本音が表れていた。高級食パンなど、食のブームは何度もあったが、元祖ファストフードともいわれる、おにぎり人気は底堅い。品質にこだわり、消費者が納得できる価格で訴求する店は生き残っていくだろう。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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