10年間放置「空き家になった実家」が片付いた経緯 両親の思い出残る「実家の片付け」で大切な視点

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

やがて、庭木が茂り放題になり、隣の家から苦情が来るようになりました。庭師を頼んで、たびたび剪定してもらわなければなりません。そのたびにかなりの費用がかかります。親戚からは、ことあるごとに尋ねられます。

「実家、どうするの?」

「考えてるよ、うるさいな」と、次第に実家には触れないようになってしまいました。余談ですが、こうやって10年、15年と経っていくと、そのうち家に雨漏りがするようになり、ネズミやイタチなどが入り込んで棲みついてしまったりして、ますます行きたくなくなってしまうものです。

浮浪者が住んだり、空き巣に入られたり、放火をされる危険性もあります。やがて家が壊れて崩れていくのです。こういった朽ちた家の発生は、実は珍しい現象ではありません。ごく身近にあることなのです。

ポイント 本当に欲しいものは最初に持ち出している

話を戻しましょう。相談を受けた僕たちがCさんの実家に行くと、10年も空き家だったのに、ご両親の布団までそのままの姿で残っていました。

「ああ~、これはけっこう物量がありますね。どうしたいですか?」

「自分でやるのはムリと分かったから、一緒に片付けてほしいんです」

「わかりました。じゃあ、ご一緒に片付けましょう!」

Cさんは「1つずつ、残すか捨てるか決めたい」と希望されます。「いいですよ。いらないものは捨てますから」と、僕は付き合っていきました。出てくるわ出てくるわ……。引き出物でもらった毛布が20枚も、箱ごときれいに押し入れに入っている。そんなものが次々現れるのです。物量が多いためキリがなく、だんだんわけがわからなくなってきました。

そこで、「売れるものからやりましょうか」とご提案し、買取業者に来てもらうことにしました。数人の業者さんが、家の中を走り回って買取できそうなものをテキパキ集めてくれます。貴金属や陶器などをまとめると、15万円ほどになりました。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事