「内村と○○の会」に見るTBSバラエティーの強み 一貫した軸がありつつバラエティーに富む内容

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それまでにもTBSは、「コント」「ゲーム」「トーク」とCCDカメラの可能性を積極的に模索していたイメージが強いが、結果的に『気分は上々。』の持ち味である「走行中や屋内の定点」が絶叫系の定点カメラと並びもっともポピュラーな手法になった点についても触れておきたい。

また、いわゆる旅番組のようなナレーションが入らず、会話とは別の心情描写や状況描写などが“縦のテロップ”で表示される手法も、ロケVTRの面白さを助長させていた(『6人の村人!』のみ縦のテロップは採用されておらず、ロンドンブーツ1号2号・田村亮がナレーションを担当)。

同世代のダウンタウン・松本人志が『一人ごっつ』(フジテレビ系)をはじめとする“ストイック路線”を打ち出して支持された時代、『気分は上々。』はロケ先の地元民や他ジャンルのタレント、若手芸人などとの和やかな交流によって人気を博した。

こうした特徴は、今も続く『内村と○○の会』にすべて引き継がれている。『気分は上々。』の演出や企画の方向性が、時代を経てもなお色あせないことに驚くばかりだ。

懐の深さを感じるバラエティー特番

もう1つ、今回の『内村と◯◯の会』を見て、一貫したコンセプトを持ちながらバラエティーに富んだ内容になっていることに懐の深さを感じた。

「青春の会」は、上白石萌音、杉野遥亮による“お忍びロケ”だ。人気俳優の2人が周りの目を気にしながら、仲見世商店街や浅草寺を訪れ、人力車で移動し、日本最古の遊園地「浅草花やしき」を楽しむ姿が実に初々しかった。

上白石萌音 杉野遥亮
青春の会の上白石萌音と、杉野遥亮(写真:番組公式サイトより)

その姿を見て、芸能人の男女がお互いを知らされぬまま待ち合わせてデートする同局の恋愛バラエティー『恋するハニカミ』(2003年~2009年終了)をふと思い出した。この点は、同番組や『気分は上々。』『内村と◯◯の会』の構成も担当する放送作家・高須光聖氏のテイストが反映されていたのかもしれない。

一方の「一文字の会」は、おぎやはぎ・矢作兼、ビビる大木(淳)、ゴールデンボンバー・鬼龍院翔の3人が「一文字スターの伝説を巡る」というもので、後半で大御所俳優・松平健と合流し、新たな伝説を作るべく女子高生徒348人とともにマツケンサンバⅡを踊るという内容だった。

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