「内村と○○の会」に見るTBSバラエティーの強み 一貫した軸がありつつバラエティーに富む内容

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苗字に「村」があるお笑いタレント6人(ウッチャンナンチャン・内村光良、さまぁ〜ず・三村マサカズ、ナインティナイン・岡村隆史、バナナマン・日村勇紀、ロンドンブーツ1号2号・田村淳、ザ・ドリフターズ・志村けんさん)が、1泊2日の旅に出向く伝説的な特番だ。

ただでさえ、これだけの人気タレントが共演するのは珍しい。スケジュール調整はもちろんのこと、裏被り(ある芸能人が同じ時間帯に別の放送局の番組に出演すること)の問題もクリアしなければならないからだ。

奇跡とも言えるこの特番は、新鮮な顔触れながら終始和やかな雰囲気が漂っていた。とくに後半、志村さんが登場してからの旅館のシーンが忘れられない。就寝前の場面で、岡村や三村にちょっかいを出す志村さんは、久々に息子とじゃれ合って笑みを浮かべる父親のようだった。

くしくも同年3月末、『笑っていいとも! グランドフィナーレ 感謝の超特大号』(フジテレビ系)が放送され、タモリ、明石家さんま、とんねるず、ダウンタウン、爆笑問題らが一堂に会して視聴者を驚かせた。

今振り返ると、2014年はそれまで当たり前にあったテレビの昼番組が終了した年であり、「好きなことで、生きていく」というYouTubeのCMキャンペーンフレーズが話題となった年でもあった。

そんな中、『6人の村人!』は今で言う“マッチング”企画の可能性を広げた画期的な番組だったように思う。その後、残念ながら同じメンバーでの続編は実現しなかったが、2022年からフォーマットを引き継ぐ形で『内村と○○の会』のスタートに至っている。

『気分は上々。』から引き継いだもの

2つの番組の原点は同局で放送されていた『ウンナンの気分は上々。』(1996年~2003年終了)にあると考えて間違いないだろう。

ウッチャンナンチャン、およびゲストの芸能人たちが「ロケ企画を通じて新たな友情を育む」というコンセプトは、当時の視聴者に新鮮に映った。タレント同士のプライベートに近いやり取りをのぞき見ているかのような臨場感があったのだ。

スタッフの存在を意識させないよう、撮影方法も徹底されていた。車中や屋内のプライベート空間ではCCDカメラの定点、飲食店やアクティビティを楽しむシーンなどでは遠巻きのビデオカメラが出演者を捉え、自然でリアルな表情や会話が映し出されていた。

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