また、悪い言葉とわかっていても友達同士で連帯して騒ぐためのツールとなっていることもあります。そうしたことを確かめることで、子どもと向き合うきっかけを作りましょう。
どういう意図で使っているのかを確認した後、できるだけ感情的にならずに、その言葉を言われたら本当に悲しい、とても腹が立つ、などきちんと正直な気持ちを冷静に伝えましょう。その言葉を言われたら、言われた側はどんな気持ちになるのか。それは子どもが知っておいたほうがいいことであり、親は、それを率直に伝えられる貴重な存在です。
また、違う意味合いで使っているという場合は、それでは通じないので、「〇〇と言ったらわかってもらいやすい」と別の表現を学ぶ機会にできるといいですね。
子どもが本当に伝えたかったことや、シチュエーションも見えてくるでしょう。それらを確認したうえで、こちらの言葉のほうがいいよ、と違う言い方を教えてあげることが大切です。
どんな言葉が適しているのか、調べてみるのもいいですね。類語はたくさんあり、意味合いの似たニュアンスの違う言葉を知るいい機会にもなります。
また、子どもの中に、相手を見下げる気持ちがあるとしたら、言葉だけでなく、捉え方を見直すチャンスです。いわゆる人格否定をしないことも教える必要があるでしょう。
大人になってからも同様ですが、人格否定の言葉を使うことは、トラブルのもとになります。
例えば、のんびりしていて作業を進めてくれない相手に早くしてほしいことを伝えるのに、
「のろま」と人格否定する必要はなく、「○○に間に合わないので、今やってほしいな」と、どうしてほしいかを具体的に伝えればよいのです。相手を不必要に傷つけずに、自分の意思を伝える方法は、難しいことではありますが、どうすればよいかを考えることで、よりよい言葉選びを身につけられるようになると思います。
親自身も言動を考えるきっかけに
私自身、子育て中に、子どもが言った言葉や言い方に、ドキッとすることもありました。時には、傷ついたり悲しくなったりすることがあり、私自身そんな対応を子どもに対してしていないのに……という思いから、なぜそういう言い方をするのか考えることがありました。
ところが、子どもは親の映し鏡とも言いますが、振り返ってみると、自分自身が同じようなことをしていることに気づかされることもたびたびでした。子どもに対してはしていないが、ほかの家族などに対してはしているな、と。ですから、親自身も言動を考えるきっかけになるかもしれません。
いかに相手に伝えられるかは、相手が受け取りやすい、わかりやすい言葉選びが大切になってきます。乱暴な言葉に限らず、普段のやり取りを一緒に考える際のヒントとして役立てていただけたら幸甚です。
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