お金の次は家族構成が満足度に影響しているのかを考えてみたいと思います。現役時代には結婚しないという選択をする人も多いでしょう。実際、2020年の国勢調査によると50代で単身世帯比率は30.8%で、その人数は513.5万人となっています。そのうち未婚の比率は62.9%で、その数323.0万人です。
しかし60代になってみると単身か夫婦かで、生活全般の満足度の平均値が変わってくることがわかります。下の表では、全体の平均値よりも高いところを緑の網掛けにしていますが、もう少ししっかり見ていただくために、例えば満足度が3点を上回っているセグメントをチェックしてください。
生活全般の満足度では、夫婦のみ、夫婦と子ども、夫婦と親の3つ(その他を除きます)が3点を上回っていて、単身の3つのセグメントはすべて3点を下回っています。健康状態や人間関係の満足度はどのセグメントでも3点を上回っていますが、それでも全体の平均点を上回っているオレンジ色のところはそのほとんどが夫婦世帯となっています。
家族構成では、配偶者がいることが生活の満足度にプラスとなっていることがわかります。
単身世帯には同居者がいると満足度が上がる
ちなみに、単身世帯のなかで生活全般の満足度を比較してみると、単身世帯2.72点<単身と親世帯2.88点<単身と子ども世帯2.93点の順となっています。この順番が重要に思えます。1人だけの生活よりも、誰か同居してくれている人がいるほうが生活全般の満足度が高くなる、それは親よりも子どもとの同居の満足度のほうが高いという関係です。これは夫婦世帯では、親や子どもとの同居の満足度のほうが低くなっているのとは大きく違っている点です。この関係は、人間関係の満足度でも当てはまります。
配偶者がいる生活では、親や子どもと同居することは60代の生活全般の満足度を下げますが、単身となると、その親や子どもでも同居してくれることはうれしいということでしょう。60代になると、1人だけの生活は相対的に満足度が低くなってしまうようです。
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