「60代6000人の声」の2023年調査では、6503人の方が回答を寄せてくださいました。その皆さんの平均値をまず紹介します。
② 健康水準の満足度 =平均点3.29
③ 仕事・やりがいの満足度 =平均点3.15
④ 人間関係の満足度 =平均点3.50
⑤ 資産水準の満足度 =平均点2.69
さて、みなさんの点数と比べてどこがどれだけ違っていましたか。
この平均値をレーダーチャートにしてみると、そのバランスの状態がわかります。満足度3点は「どちらともいえない」とする回答で、中庸の水準といってもいいでしょう。5つの満足度のうち、その3点を上回って「どちらかといえば満足している」ほうに近いのが、生活全般、健康状態、仕事・やりがい、人間関係の満足度です。逆に3点を下回って「どちらかといえば満足していない」水準なのが資産水準の満足度だけでした。
つまり、今の60代は資産水準にだけ満足できていないということです。
お金がなくても満足する生活は送れる!?
この5つの満足度の関係を、「②~⑤の満足度が①の生活全般の満足度を構成している」とみることができます。そう考えると、今の60代は「資産水準には満足できていないが、人間関係や健康状態の満足度が高いことから、生活全般の満足度は何とか『どちらかといえば満足している』側になっている」ようです。
お金がなくても生活は満足できるんじゃないか、ということでしょうか。
もう少し詳しい分析を進めていきます。回答者の方には保有する資産額も聞いていますので、どの程度の資産水準なら資産水準の満足度が3点を上回るのかを調べてみると、おおよそ2000万円くらいでした。老後2000万円問題が後を引きずっているのかもしれませんが、資産水準が高くなるほど満足度が高くなるのは明らかです。この内容は、「老後『2000万円では足りない』と言う60代の資産額」でまとめていますので、こちらも参考にしてください。
ただ、生活全般の満足度が3点を上回るのは資産が501万~1000万円の層から上の金額層でしたので、他の満足度で資産水準の満足度をカバーするとしても、ある程度の資産は必要といえます。ちなみに、「60代6000人の声」2023年調査では、資産500万円以下の人が42.8%もいらっしゃいましたから、なかなか生活全般の満足度が高くならないようです。
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