子への性犯罪止められるか「日本版DBS」の懸念点 相次ぐ子に関わる専門職によるわいせつ事件の報道

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子どもたちへの性犯罪を止めるためにできること(写真: TATSUSHI TAKADA/getty)
子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴をチェックする「日本版DBS」の法案提出が今秋の臨時国会から、来年の通常国会以降に先送りされました。そもそも「日本版DBS」とはいったい何か、どんな議論があったのか――政府有識者会議(こども関連業務従事者の性犯罪歴等確認の仕組みに関する有識者会議)メンバーで、保育園を考える親の会の普光院亜紀さんが詳しく解説します。

教員、塾講師、スイミングスクールコーチ、保育士……子どもに関わる専門職によるわいせつ事件や性犯罪に関する報道が相次いでいる。本来なら子どもが信頼して頼りにしなければならない大人が、その地位を利用して子どもの心を深く傷つけている。こんな卑劣なことが許されてよいはずがない。

種々の事件を受けて、法制度が動いた。2021年には教員職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が成立。2022年には児童福祉法改正の中で児童にわいせつ行為を行った保育士の資格管理の厳格化が定められた。しかし、免許や資格を通した防止策には限界がある。

そのため、これらの法律成立時に、日本版DBSの制度の検討を急ぐように付帯決議がつけられていた。

性犯罪歴をもつ者を子どもに近づけない制度

DBSとは、重大な暴力的・性的犯罪を犯した者が、子どもに密接に関わる仕事(以下、子ども関連業務)につくことを禁止する仕組みだ。イギリスの制度で、ドイツやフランスその他の数カ国で類似する制度が設けられている。

イギリスでは、対象となる職業等の範囲を国が定義し、性犯罪歴等一定の前歴をもつ者がこれらの子ども関連業務に従事することを禁止している。禁止されている者が該当する職業等についたり、雇用者が事情を知りながら雇用したりすると犯罪になる。

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