子どもが学童を「拒否」小学生の親の両立を阻む壁 短時間勤務制度を選択できなくなる企業も多い

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子どもの居場所の確保や過ごし方に、多くの保護者が悩む「小1の壁」。育児と仕事の狭間で悩む保護者たちの現状について取材しました(写真:Fast&Slow/PIXTA)
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子どもの就学後、放課後や長期休暇中の子どもの居場所の確保に苦心し、育児と仕事との両立が難しくなる、いわゆる「小1の壁」にぶつかる保護者は多い。この春もSNSで「#学童落ちた」「#小1の壁」の投稿が散見された。夏休み中の子どもの居場所や過ごし方に悩んだ保護者も多いのではないだろうか。

保育園は延長料金を払えば18時以降も預けることができたが、学童は18時で閉所するケースも多い。子どもの就学前までしか時短勤務制度が利用できない企業もあり、入学直後はかつてない忙しさに戸惑う保護者もいる。

こども家庭庁によると、今年5月時点の放課後児童クラブ(学童保育)の待機児童数は1万6825人と2年連続で増加しており、これは、昨年4月時点の保育園の待機児童2944人の5倍もの数値になる。

小学生になったばかりの子どもを抱え、育児と仕事の狭間で悩む保護者たちの現状と、企業に求められる対応について取材した。

子どもが学童を嫌がるように

正社員として外資系コンサルティングファームで働くAさんは、小1の壁を見越して長男の入学前に働き方を変えた。「前職は、コロナ禍が終われば出社が増える見立てだったため、子どもの入学後も突発的な事態に柔軟に対応できるよう、フルリモートで働ける会社に転職しました」(Aさん)

Aさんの住む地域の民間学童保育は、学校と学童間、そして自宅への送迎をはじめ、習い事も充実している。Aさんは無事、民間の学童保育の枠を週2日確保し、週3日は小学校併設の放課後児童クラブ(学童保育)に長男を預けることにしたが、入学後に想定外の事態に直面する。

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