最新OS「Android 14」が示すカスタム設定の妙味 アクセシビリティ強化で「点滅による通知」の新機能も

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カスタマイズの多様化やアクセシビリティの利便性向上はAndroid 14の大きなテーマだが、そのほかにも、さまざまな改善が施されている。

デュアルSIM利用時の新機能も、その1つだ。2つのSIMカードを挿していると、電話とSMSの同時待ち受けはできるが、データ通信ができるのはどちらか一方。通常、よく使う回線に固定していることが多く、電波状況が悪くてつながりづらいときや、通信品質が劣化していて速度が出づらいときに切り替えて利用する。

デュアルSIM時に便利な自動切り替え

通常、これは手動で設定しなければならず、端末によっては少々面倒だ。Pixelシリーズの場合、「設定」を開き、「ネットワークとインターネット」をタップしてから、「SIM」を選択。次の画面でデータ通信したいほうの回線を選び、さらにその中で「モバイルデータ」のスイッチをオンにすると、オンになったほうの回線のデータ通信が有効になる。機種によってはクイック設定で簡単に変更できるカスタマイズをしてあるものもあるが、標準のAndroidは階層が深くて切り替えづらい。

データ通信するSIMカードの自動切り替えに対応した(筆者撮影)

このようなときに便利なのが、Android 14で搭載された自動切り替え機能だ。設定手順は次のとおり。

上記と同じ手順で、データ通信“していないほう”の回線を開く。すると、「モバイルデータ」の下に「モバイルデータに自動的に切り替えます」という設定項目が追加されている。ここをオンにすると、普段使っていない回線のほうが安定しているときに、自動でデータ通信する回線を切り替えてくれるようになる。

同様の設定を備えている端末はほかにもあるが、OS標準として取り入れられたのはAndroid 14からだ。ただし、この設定を有効にしていると、意図せず予備回線のほうで通信してしまうことがある。

どちらも同じような料金プランを契約しているならいいが、もしものときに備え、データ容量が少ない料金プランや、使っているデータ容量に応じて料金が上がっていく料金プランにしている際には、注意が必要。意図せずデータ容量を使い切ってしまったり、料金が上がってしまう可能性もあるからだ。心配がある人は、自動設定は解除しておくようにしたい。

ほかにも、電話の着信音量と通知の音量を分けて変更できるようになったり、バッテリーを節約するための「バッテリーセイバー」のユーザーインターフェースや一部機能が見直され、より設定がしやすくなったりと、細かく使い勝手が向上している。Pixelユーザーにはうれしい改善と言えるだろう。他のメーカーもアップデートに伴い、独自機能に磨きをかけてくる可能性があるため、そのときを期待したい。

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石野 純也 ケータイジャーナリスト

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いしの じゅんや / Junya Ishino

大学卒業後、出版社の宝島社に入社。IT関連の雑誌、書籍を編集する部署で、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後は、ジャーナリスト/ライターとして、モバイルに関連した幅広い企業を取材。ウェブサイトや雑誌を中心に、執筆活動を行う。ネットワークから端末、コンテンツまで、モバイルに関する全レイヤーをカバーする。主な著書は『ケータイチルドレン』(ソフトバンク)、『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ)。iPhone、スマートフォン関連の解説書なども、多数手掛けている。

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