しかし、ここで冷静に考えてみると、子どもは親の愛情を欲しがっていることがわかります。親は学校の先生ではなく、あくまでも自分のことをよく知ってくれる人、自分のことを認めてくれる人、安全安心で包み込んでくれる人だと思ってるのです。ですから子育て本などでもよく語られるように、「親の愛情が必要」になります。今、岩井さんに必要なことは、子どもがお母さんのことが大好きだということを認識することだと思います。それを不安ではなく笑顔で受け取ってあげてください。
(2)頭脳のスペックがかなり高いため対応法を変える
お子さんは頭脳のスペックがかなり高いです。そのため、これまでの対応とは変えていく必要があります。
人間の頭脳の状態をパソコンのOSとソフトの関係で説明しています。パソコンという機械にはOSとソフトがインストールされています。OSとソフトにはそれぞれバージョンがあります。例えばWindowsは初期の頃、世界に広がったWindows95というのがありました。これはOSの名前です。OSは年を経るごとに次々とバージョンを上げ、現在はWindows11となっています。そのOSに、ワード、エクセル、パワーポイントという「ソフト」がインストールされているわけです。このソフトにもバージョンがあります。
では、ここで2023年に使われている最新バージョンのワードのソフトは、初期の頃のOS、Windows95にインストールしてみます。どのようなことが起こるでしょうか?
インストールはできないかフリーズを起こしてしまうことでしょう。あまりにもOSとソフトのバージョンが異なっているからです。
人間の頭脳も同じで、OSとソフトがあります。OSが地頭(考える力)に相当し、ソフトが国算理社といった教科と考えるとわかりやすいです。例えば、頭脳のOSのバージョンが1〜10段階あったとします。そしてソフトもバージョンがあります。小1、小2、小3というのはソフトのバージョンと考えてください。するとOSのバージョンが高いとソフトはアップデート(学年が上がる)しても次々とインストールができます。これがあまり勉強をしていなくても勉強ができる子の実態です。OSのバージョンを上げる方法はありますが、岩井さんのお子さんはすでにこのOSのスペックが高いため、学校や塾、さらには日常生活の中のさまざまな活動から学び、“インストール”ができています。
そのような子どもにとっては、学校から指示されるような練習や宿題がかなり退屈です。特にできていること、わかっていることはなおさらです。これは筆者の考えですが、結果が出ているのであれば、練習や家での学習をどのようにするのかは、子どもの意見を取り入れて進めてみてはいかがでしょうか。
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