茨城「本当に魅力最下位?」注目すべき意外な実力 人口増加率日本一のつくば市、ロケ地1位の人気ぶり

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次は食の魅力である。茨城の食といえば、毎日のように食卓にあがる納豆や、これからの時季がおししいアンコウなどが有名だが、実は日本を代表する食料生産拠点なのである。県のホームページ(2020年10月更新)には次の品目が「日本一」として紹介されている。野菜類を中心に実に多くの食料が茨城県で生産されていることがわかる。

企業が続々と茨城に本社を移転中

土地、人口、文化的資産、食料生産など茨城県の知られざる実力と魅力を検証してきたが、魅力度調査に回答した人々は、こうした実態をどこまで知っていたのだろうか。

逆に、茨城県の魅力と潜在的なポテンシャルにいち早く注目し、行動に移しているのが首都圏の中小企業である。コロナ禍前から東京などから地方に本社機能を移転する「脱東京・首都圏」の動きが見られる。

帝国データバンクの調査によると2022年の1年間に首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)から地方に本社や本社機能を移転した企業は335社。コロナ禍前の2019年の1.4倍に増えている。首都圏への転入は258社で、77社の転出超過となった。

2022年の移転先は①茨城県(34社)、②大阪府(30社)、③愛知県(24社)、④群馬県(19社)、⑤北海道(16社)となっていて、ここでも茨城県の存在感が目立っている。

ちなみに茨城県は2018年にも首位になっている。県の企業誘致政策に加え、東京からのアクセスの良さ、首都圏と比べての地価の安さ、工場立地面積の充実(面積は日本一)、自然環境の良さ、港湾、空港への好アクセスなどが背景にあるとみられる。災害対策、事業継続計画(BCP)の観点からの移転もあるようだ。

いかがであろうか。さまざまなデータや現状を見る限り、茨城県が魅力度最下位とはとても言えないのではないだろうか。あらためて茨城県の真の姿に注目したい。 

山田 稔 ジャーナリスト

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やまだ みのる / Minoru Yamada

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。編集工房レーヴのブログでは、最新の病状などを掲載中。最新刊は『60歳からの山と温泉』(世界書院)。

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