5. 今後の課題・期待を伝える際のポイントは「4W1H」
評価面談の最後には、部下が目指す姿に向けて取り組むべき「次なる課題」を明確にするとよいだろう。そのためには、現状の問題を掘り下げる必要があるが、評価面談において「Whyを繰り返す」ことはおすすめしない。設備の不具合の原因を探る場合などには有効な手法だが、Whyを繰り返すと人格否定のように受け取られる可能性があり、相手に心理的ダメージを与えかねない。
望ましいのは、「何が成功を妨げましたか?(What)」という原因特定的な質問や、「どうすればうまくいきますか?(How)」という未来探索的な質問だ。このように、Whyではなく「4W1H(When, Where, What, Who, How)」を使って部下の次なる課題を設定したい。
そして最終的には、今後の期待を伝えることで部下のモチベーションを高めて締めくくりたい。このときも、こちらの記事で紹介したモチベーションの公式「will × can × must」を活用し、モチベーションを高めよう。
日頃から信頼関係を築いておくことが何より大事
評価面談で意識すべきポイントを示してきたが、前提として重要なことは、「信頼関係が構築できているかどうか」だ。上司と部下の間に信頼関係がないと、部下は「この人の言うことは素直に聞けない……」「ちゃんと評価されるとは思えない……」といった気持ちを抱えて面談に臨むことになり、上司が何を言おうと納得感は得られないだろう。
逆に、信頼関係があれば、たとえ同じことを言ったとしても、「普段から自分を見てくれているこの人の言うことだから、ちゃんと受け止めよう」と納得してもらえるはずだ。信頼関係を構築するために、日頃からコミュニケーションの「量」と「質」を意識してみてほしい。
若手は「評価されていない」「成長できそうにない」と感じると、離職を考える傾向がある。逆に考えれば、評価に納得できていて、成長実感を得られていれば、この職場で働き続けたいと思えるはずだ。
「そうは言っても、今の制度じゃ難しい」と思う気持ちもよくわかる。しかし、制度そのものを変えなくても、運用を工夫することで、部下の納得感や成長実感を高めることは可能だ。人事制度を運用するのは、上司である管理職自身。若手の離職に悩んでいるなら、人事評価の運用を見直してみてほしい。
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