一流になる人は貪欲に「ダメ出し」を求める 知っていると強い、自分を見る「他人の視点」

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そのとき、フィードバックを受ける立場としては、そのようなあいまいな言葉を自分の中で飲み込み、「なるほど、そういうことか……」と勝手に自己解釈してしまっては、学びが深まりません。そこでもう一歩踏みとどまって、「たとえば」レベルのコメントが引き出せるまで具体的に聞いてみるということが、効果的な学びにつながっていくでしょう。

特徴3:感情とファクトを切り離せる

私が実際に受講生など相手に対してフィードバックを行うとき、フィードバックの受け方の巧拙というのが浮き彫りになる瞬間がいくつかあります。そのひとつが、ネガティブなフィードバックをしたときの対処の仕方です。

受け方が下手な人は、相手のフィードバックコメントの真意を理解する前に、「これはネガティブなフィードバックだ」というサインを読み取り、身構え、「そういうつもりで書いたのではない」というような防御的な態度に出ます。

一方で、ネガティブなフィードバックをうまく生かせる人は、まず「感情とファクト」を切り離します。「ネガティブな言葉は受け入れたくない」という感情は置いておいて、相手が具体的に何を言いたいのかを最後まで聞き、「相手が言いたいことの根拠となっているファクトを把握する」のです。

入念に準備して、自分なりに成功したと思ったプレゼンがあったとしましょう。そのプレゼンに対して、同僚から「悪くなかったけど、やや冗長な気がした」というフィードバックをもらったとします。

そこで大事なのは、その「冗長」というネガティブなフィードバックから湧き上がってくる「いらだち」のような感情はいったん脇に置き、「なぜ冗長だと感じたのか?」「具体的にどの部分が冗長だと感じたのか?」ということを把握しようとすることです。

自らの感情はいったん切り離して、謙虚に「第三者の視点でファクトを求める」という姿勢が、成長につながります。

特徴4:自分のスタンスを明確に持っている

ただし、フィードバックをもらうことの効用を過度に認識しすぎると、「できるだけ手間をかけずに、素早く相手のフィードバックをもらおう」と、30点くらいの完成度で相手にぶつけるような人もいます。

仕事の省力化、効率化の名の下に、まずは適当に下ごしらえをして、上司などからフィードバックをもらうことで、徐々に仕上げていくというスタイルです。

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